馬場　望

高校を卒業してすぐに入社しまして、12年ほど瓦職人として仕事に携わっています。
最初は、「屋根を葺く」という仕事があること自体知りませんでした。
卒業後の進路が高3の3月になっても決まっておらず、その時は、何とかなるかなと軽い気持ちでいたんです。
卒業式の日、父から知り合いの人を紹介されたのですが、その人はここ（坪井利三郎商店）の職人のお父さんでした。
息子さんが瓦職人をやっていて、興味があったらやってみないか？ と勧めてくれたんです。

ただ、“瓦職人”と聞いても、最初は全くピンとこなかったですね。瓦を作っている人だと思いましたから。
屋根に上って瓦を施工する仕事だと聞いて、単純に「カッコいい！」と思いました。
普段歩いている時、屋根の上なんて気にしないじゃないですか。
そんな仕事があるんだ、スゴいって思いました。

仕事はおもしろいです。同じ屋根を葺くことでも、家によって全くやることが異なります。
新築の家、リフォームの家、お城、お寺……。どれひとつとして同じ仕事はないんです。
会社も先輩たちも、どんどん新しいことに挑戦させてくれるし、本当に飽きない。
やりがいはそこにあるのかもしれません。
12年が経った今でも最初に思った“屋根を葺く”ことが「カッコいい」という気持ちは変わりませんし、この仕事に誇りを持っています。

それと、僕がこの仕事をこの会社で続けていられるのは“人間関係がいい”というのもありますね。
親方をはじめ先輩たちは、仕事中はもちろん厳しいですがオフの時はフラットに接してくれる。
だから、居心地がいい。人間関係がいいのは自信を持って言えますよ。
仕事がつらいからって早々に辞めてしまう人がいますが、こんなにいい職場なので仕事がつらいだけで辞めてしまうなんて、もったいないって思うくらいです。