瓦にも種類がある?メンテナンスの必要性や瓦の種類を素材・形状ごとに紹介
瓦の種類(素材別)
瓦屋根とは屋根材に瓦を使用している屋根のことをいい、日本家屋に多く見られます。長久手市でも多く見られる屋根材のひとつです。
瓦は耐久性に優れた寿命の長い屋根材です。また万が一、瓦が1枚割れたとしてもその瓦のみ取り換えればいいため、部分的な葺き替えが可能な屋根材ともいえます。
瓦には種類があり、「粘土瓦」と「セメント瓦」の2種類に大別できます。
粘土瓦
粘土瓦には「陶器瓦」「いぶし瓦」「素焼瓦」の3種類があります。
粘土瓦は耐用年数が50年前後と長く、メンテナンスがほぼ必要がないことがメリットとして挙げられます。
陶器瓦
「陶器瓦」は釉薬という薬剤を塗布して高温で焼いた瓦のことをいい、最も一般的な瓦です。
釉薬によって色が付けられていることから「釉薬瓦(ゆうやく瓦)」と呼ばれることもあります。釉薬が瓦にツヤを出し、撥水効果もあるため耐水性に期待できます。
こちらの記事でより詳しい釉薬瓦の説明を行なっています。
▶︎https://www.risaburo.jp/blog/oshigoto/20200422.html
いぶし瓦
「いぶし瓦」は瓦の素地自体を燻化し、銀色や黒色などの濃い色合いになった瓦のことをいいます。
この銀色や黒色は窯の中でいぶされている間に付着する炭素膜の色で、瓦1枚1枚で色合いが異なり、独特の渋さ・美しさを持っています。
いぶし瓦は一般家屋ではなく、伝統的な日本家屋や神社仏閣でよく見ることができます。
こちらの記事でより詳しいいぶし瓦の説明を行なっています。
▶︎https://www.risaburo.jp/blog/oshigoto/20200419.html
素焼瓦
「素焼瓦」は釉薬を塗らずに瓦の形に成型して高温で焼いたもので、赤褐色や茶色などの赤い色合いを持つ瓦のことをいいます。
陶器瓦やいぶし瓦と異なり、粘土の色合いがよく出ている瓦で、洋風の瓦によく馴染む瓦です。
こちらの記事でより詳しい素焼瓦の説明を行なっています。
▶︎https://www.risaburo.jp/blog/oshigoto/20200424.html
セメント瓦
セメントと川砂を混ぜ合わせて作られた瓦のことをセメント瓦といいます。セメント瓦の耐用年数は30〜40年ほどで、やや粘土瓦に劣ります。
セメント瓦は粘土瓦より安く製造できるため1970〜1980年代に広く普及しましたが、よりコストパフォーマンスに優れた屋根材の登場や粘土瓦の製造コストが安価になったことから、現在の新築で使われることはほとんどなくなりました。
瓦の種類(形状別)
屋根全体に葺く瓦には、その瓦の形状で「和瓦(J型)」「平板瓦(F型)」「S瓦」の3つに分けられます。
和瓦(J型)
波を打っているかのような自然なカーブを描く瓦を「和瓦」といいます。日本家屋で多く採用されており、Japaneseスタイルということから「J型」と呼ばれることもあります。
自然なカーブが空気を含むことで保温性に優れ、適度に換気にも優れています。夏は湿度が高く、冬は寒さが厳しい日本の気候に合った形状の瓦といえます。
平板瓦(F型)
和瓦とは異なり、フラットな形状の瓦を「平板瓦」といいます。Flatから頭文字をとって「F型」と呼ばれることも。
平板瓦は日本家屋だけでなく、どんな家屋にも合うため和風建築以外でも活躍をしています。
S瓦
和瓦よりもさらに大きく波打っている瓦を「S瓦」といいます。西洋建築とともに移入されたデザインで、Spanishの頭文字のSが由来します。
和瓦同様、カーブを描いている部分に空気を含むため保温性と通気性に優れます。
名前の由来となった「スパニッシュ瓦」という種類もあります。上丸と下丸が分かれていていて、より陰影が濃く西洋建築に近い仕上がりになります。
瓦のメンテナンスの必要性
瓦自体の耐用年数は高く、メンテナンスは粘土瓦の場合ほぼ必要ないものの、定期点検と瓦屋根を支える下地のメンテナンスは必要です。
また、突風により飛来物が瓦に衝突して一部の瓦が割れることも考えられます。
雨風から建物を守っている瓦は定期的なメンテナンスを行うことで、建物の寿命の延伸にもつながります。
すでに「瓦のずれ・ヒビがある」「漆喰が剥がれている」「棟が崩れている」などの症状を見つけたら早めに屋根業者に相談することをおすすめします。
瓦屋根のメンテナンス方法
現在の瓦屋根の状態によって、主に以下の提案が考えられます。
・瓦の差し替え
・漆喰の詰め直し
・棟の積み替え、積み直し
・瓦屋根の葺き直しもしくは葺き替え
瓦の差し替え
割れた瓦のみを取り除き、新しい瓦に差し替える部分的な補修です。1枚から差し替えすることができます。
漆喰の詰め直し
劣化した漆喰をすべて取り除いて新しく漆喰を塗り直す方法です。
漆喰は環境によっては10年程度で劣化が見られるため、10年に1回ほどの頻度でのメンテナンスをおすすめします。
漆喰の詳細や施工については、以下の記事も併せてご覧ください。
棟積み替え、棟積み直し
棟瓦にズレがあったり、破損が見られた場合は積み替えもしくは積み直しを行います。
瓦屋根の葺き直しもしくは葺き替え
「葺き直し」は瓦を剥がし、屋根下地の補強・補修を行った上で既存の瓦を元に戻す方法のことをいい、「葺き替え」は既存の屋根材を撤去してすべて新しいものに替える方法のことをいいます。
葺き替え工事のほうが葺き直し工事に比べて高額になりますが、屋根全体の問題をすべて解決することができます。
まとめ
私たち坪井利三郎商店は屋根外壁診断のご相談をいただいたら、長久手市にて屋根ひとすじに100年以上に渡り携わってきた経験とプロの技で、あなたのお住いの屋根・外壁を詳細に点検・診断いたします。
あわせて今後の住まい方についてもヒアリングさせていただきながら、住まいにあわせた最適なメンテナンスのご提案を無料で実施させていただきます。お気軽にお問い合わせください。