トタン屋根のメリット・デメリットを知ってる?種類やメンテナンス方法などを紹介
トタン屋根とは
トタン屋根とは亜鉛メッキを施した薄い鋼板を葺いた金属屋根のことをいいます。住宅のほかに倉庫や工場で多く使われています。
大正時代から普及し始め、戦後の高度経済成長期にはトタン屋根は安価で施工期間が短いことから全国の住宅で採用されていました。
しかし錆びやすく耐久性が低いことから近年はトタン屋根の建物は減少し、トタン板に代わる屋根材として亜鉛にアルミニウムを加えて錆びにくくしたガルバリウム鋼板が使用されるケースが増えています。
トタン屋根の種類
トタン屋根は大きく以下の3種類に分けることができます。
・波板トタン屋根
・瓦棒葺きトタン屋根
・折板トタン屋根
波板トタン屋根
多く見かけるトタン屋根で、一般的に「トタン屋根」というとこの「波板トタン屋根」のことを指します。
平らな鉄板を波型に加工することで薄い鉄板の強度を補っており、波の間隔には大小の2種類があります。
波板トタンは勾配のない屋根にも使用することができます。
瓦棒葺きトタン屋根
屋根が下る向きに合わせて、等間隔に縦線が入った見た目をしているトタン屋根です。
縦線の中には心木(しんぎ)と呼ばれる棒が入っており、そこにトタン板を固定して施工されています。
つなぎ目が少ないため雨漏りに強く、瓦屋根やスレート屋根に比べて緩やかな勾配の屋根が作れます。
折板トタン屋根
波板トタン屋根よりも鉄板を大きく台形に折り曲げたトタン屋根です。
住宅というより工場や倉庫、自転車置き場や体育館など、比較的大きな施設で使われる傾向にあります。
凹凸型に加工することで水はけがよくなり、瓦棒葺きトタン屋根よりもさらに勾配のない屋根に使うことができます。
トタン屋根のメリット
トタン屋根を採用するメリットは大きく以下の3つが挙げられます。
・材料費、施工費が安価
・軽量で耐震性に優れている
・緩い勾配でも使用できる
材料費、施工費が安価
トタン屋根の最大のメリットは材料費・施工費がともに安価であることです。
屋根を施工する場合は1㎡あたり9,000〜12,000円が相場ですが、トタン屋根の場合1㎡あたり4,000〜6,000円で施工することができます。
また、施工が比較的簡単で短時間で工事が済むことも安い理由となっています。
軽量で耐震性に優れている
トタン屋根は他の屋根材に比べ、軽量な屋根材です。日本瓦に比べるとその重さは10分の1以下。
屋根が重いことが直接、耐震性に影響するわけではありませんが、躯体が脆弱な場合でも屋根が軽量だと地震時に建物にかかる負担が軽減されます。
また屋根が重たいと積雪の際に建物が倒壊するリスクが高まりますが、トタン屋根は軽量なためその心配が少なく、雪国で高い需要を誇っています。
緩い勾配でも使用できる
他の屋根材の場合、ある程度の勾配が必要となりますが、トタン屋根を含む金属屋根はほとんど傾きのない屋根でも使うことができます。
その理由として屋根材のつなぎ目が少ないため雨漏りをしにくいことが挙げられます。
トタン屋根のデメリット
トタン屋根を採用するデメリットは大きく以下の3つが挙げられます。
・錆びやすい
・断熱性が低い
・遮音性が低い
錆びやすい
トタン屋根は鉄板のため非常に錆びやすい屋根材です。
表面のめっきが剥がれやすく、長時間放置すると穴が開いたり雨漏りにつながったりする恐れがあります。
トタン屋根の塗料の耐用年数は7〜10年ほどのため、この期間に塗装を行うことがおすすめです。
断熱性が低い
トタン屋根は厚さ1mm未満の薄い鉄板でできています。そのため、屋外の熱が伝わりやすく夏場は室温が上がりやすくなります。
冷房効率に期待ができず、光熱費が高額になる傾向にあるため、住居としてトタン屋根を採用する場合は断熱材を入れたり、断熱塗料を塗布したりするなどの工夫が必要です。
遮音性が低い
薄い鉄板でできており、音を通しやすい屋根材のため遮音性にも期待できません。
雨の音や車が通過する音など、生活音ですらうるさく感じる恐れがあります。
遮音性を高めるために屋根裏に吸音材を施したり、遮音性の高い塗料を塗布したりすることができますが、それでも音がなくなるわけではないため音が気になる方にはトタン屋根はおすすめできません。
トタン屋根の劣化サイン
「色褪せ」や「苔・カビの発生」「錆び」「穴あき」などが見られたら劣化のサイン。錆びや色褪せはトタン屋根の代表的な劣化症状ですが、穴あきは深刻な劣化症状です。
いずれも放置すると雨漏りを引き起こしたり、建物の寿命に悪影響を与えたりする恐れがあるため、見られたら早めに屋根業者に相談しメンテナンスを行うことをおすすめします。
トタン屋根のメンテナンス
トタン屋根のメンテナンスには大きく以下の4種類があります。
・部分補修
・塗装
・カバー工法
・葺き替え
屋根業者に相談し、屋根の状態に合わせたメンテナンスを行いましょう。
部分補修
屋根全体の劣化が少なく、破損したり剥がれたりした箇所を部分的に補修したり新しくしたりする作業のことを指します。
塗装
比較的軽度な劣化症状であれば、塗装が最適です。
錆びの除去といった下地処理を入念に行い、錆止め塗装や仕上げ塗装を行うことで美観や耐久性を回復させます。
カバー工法
塗装では補えないほどの劣化症状の場合のメンテナンスの1つにカバー工法があります。カバー工法とは既存の屋根の上に新しい屋根を被せる工法のことをいいます。
既存の屋根材の撤去がないため、建物内部の劣化を放置するリスクや屋根の重量が増えることで負担がかかりやすいといったリスクがあります。
カバー工法の詳細は以下でも紹介していますので併せてご覧ください。
葺き替え
劣化の程度が重度の場合は屋根の葺き替えがメンテナンスの選択肢となります。屋根の葺き替えとは既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を葺くことをいいます。
新品同様の屋根に生まれ変わりますが、上記の中で1番高額なメンテナンス方法です。
葺き替えの詳細は以下でも紹介していますので併せてご覧ください。
まとめ
トタン屋根はこまめなメンテナンスで長持ちさせることができる屋根材ですが、葺き替えを検討の際は「トタン」から亜鉛にアルミニウムを加えて錆びにくくした金属屋根の一種の「ガルバリウム鋼板」に変えてもいいかもしれません。
私たち坪井利三郎商店は屋根外壁診断のご相談をいただいたら、長久手市にて屋根ひとすじに100年以上に渡り携わってきた経験とプロの技で、あなたのお住いの屋根・外壁を詳細に点検・診断いたします。
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