屋根の寿命に直結するルーフィングシート!種類別メリット・デメリットを紹介
ルーフィングシートとは
ルーフィングシートとは瓦やスレート屋根などの屋根材の下に敷かれている「防水シート」のことをいいます。
別名「下葺き材」と呼ばれることもあれば、またはアスファルト製のものが多いため「アスファルトルーフィング」、言葉を短くして「ルーフィング」と呼ばれることもあります。
ルーフィングシートは屋根材の種類に関わらず、すべての屋根に施されているほど重要な役割を持っています。
ルーフィングシートの重要性
実は瓦やスレート、ガルバリウム鋼板といった屋根材だけでは雨水の侵入を完全に防ぐことができません。
そこでルーフィングシートをその屋根材たちの下に敷くことによって、雨水の侵入を防ぎ、建物にとって脅威である雨漏りを予防しています。
逆にいうと、ルーフィングシートが劣化していなければ雨漏りが起こることはまれです。
屋根材で隠れているせいかなかなか検討する機会がないかもしれませんが、これを機にメンテナンスやアップグレードなど、屋根業者に相談してみてはいかがでしょうか?
ルーフィングシートの種類
雨漏りから建物を守るルーフィングシートにも種類があります。
大きく分けて「透湿系」と「非透湿系」に分けられますが、さらに原材料や性能によって以下の6種類に分けられます。
1. アスファルトルーフィング(非透湿系)
2. 改質アスファルトルーフィング(非透湿系)
3. 透湿防水ルーフィング(透湿系)
4. 高分子系ルーフィング(非透湿系)
5. 粘着層付きルーフィング(非透湿系)
6. 不織布ルーフィング(非透湿系)
「透湿系」は湿気は通すものの水は通さないルーフィングシートで、「非透湿系」は防水を第一に考えられたルーフィングシートのことをいいます。
アスファルトルーフィング(非透湿系)
アスファルトルーフィングは板材にアスファルトを染み込ませたものです。
アスファルトルーフィングのメリットは止水性が高く、非常に安価な点が挙げられます。一方、デメリットとして耐用年数が10年ほどと短く破れやすいことが挙げられます。
現在日本で最も普及しており、代表的な製品が「アスファルトルーフィング940」です。「940」とは1㎡あたり940gの質量があることを表しています。
改質アスファルトルーフィング(非透湿系)
改質アスファルトルーフィングは前述したアスファルトルーフィングと同じ原料で作られていますが、耐用年数が20年ほどと2倍に伸びたアスファルトルーフィングシートです。
メリットは止水性と耐久性が高いことが挙げられ、デメリットとしてアスファルトルーフィングよりも高価で湿気を逃がしづらく凍結する恐れがあることが挙げられます。
代表的な製品として「三星PカラーEX+」があります。
透湿防水ルーフィング(透湿系)
透湿防水ルーフィングはその名の通り、防水しながら湿気を逃す透湿性に優れたルーフィングシートです。
透湿性に優れているため雨天後の屋根の土台である野地板が濡れてしまっても速やかに乾くため屋根内部の傷みの進行を抑えつつ、建物の寿命を延ばしてくれます。
メリットは止水性と透湿性が高く、耐用年数が50年と長いことが挙げられ、デメリットとして施工に時間がかかり、高価であることが挙げられます。
代表的な製品として「タイベックルーフライナー」があります。
高分子系ルーフィング(非透湿系)
高分子系ルーフィングは塩化ビニルや合成ゴムなどのアスファルト以外を原料とするルーフィングシートの総称です。
アスファルトを使ってないため軽量で屋根への負担を抑えることができます。
メリットは安価なのに耐久性・伸縮性が高く、破れにくいことが挙げられ、デメリットとして下地によって使用できない、紫外線の影響で劣化しやすく耐用年数が15年ほどと短い点が挙げられます。
代表的な製品として「遮熱ノアガードⅡ」があります。
粘着層付きルーフィング(非透湿系)
粘着層付きルーフィングは貼付け面が粘着シートになっているタイプのルーフィングシートの総称です。
通常、ルーフィングシートはタッカーを使用して野地板に貼り付けますが、粘着層付きの場合は釘穴からの漏水を防ぎ、より高い防水性能を発揮することができます。
メリットは密着性と防水性が高く耐用年数が30年ほどと長いことが挙げられ、デメリットは高価で湿気が逃しにくいことが挙げられます。
代表的な製品として「タディスセルフ」があります。
不織布ルーフィング(非透湿系)
不織布ルーフィングは、その名の通り主原料が不織布のルーフィングシートです。
メリットは耐久性が高く破れにくい、耐用年数が約30年と長いことが挙げられ、デメリットは高価な点が挙げられます。
代表的な製品として「タディスセルフ・カバー」があります。
ルーフィングシートのメンテナンス時期
仮に瓦が台風や地震でズレてしまったとしてもルーフィングシートがあるためすぐに雨漏りは起こりませんが、ルーフィングシートが劣化していた場合は少し事情が異なります。
耐用年数は使用されているルーフィングシートによって異なりますが、多くの家庭で「アスファルトルーフィング940」が使われているため、10年前後でのメンテナンスをおすすめします。
まとめ
屋根の寿命を延ばすことは建物の寿命を延ばすことにもつながります。
ルーフィングシートは屋根材に隠れているため目視で劣化状況を確認することができません。建設、もしくは前回のメンテナンスから10年以上経っている場合は屋根業者に相談することをおすすめします。
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