屋根下地(野地板)に使用されるバラ板とは
昨今の屋根業界では瓦屋根、板金屋根、カラーベストなど様々な屋根材が使用されています。
それら屋根材は、野地と呼ばれる屋根の下地となる木板の上に載せられ、お家を雨風から守っています。
野地と言えば、屋根に使用される下地の板ですが、実際には様々な種類の野地板があります。
最近のお家で一番よく見かけられるのは構造用合板と呼ばれる12ミリほどの厚さを持った丈夫な木板を使用するケースです。
特殊なもので言えば耐火野地という、セメントなどを使用して作られたより火災に強い野地もあります。
今回紹介するのはバラ板と呼ばれる野地に使用される木板の一種です。
バラ板とは、構造用合板などが使用される以前に使用されていた野地部材のことです。
細長い薄い木板を並べ上げ、その上に瓦や瓦を施工する際の土を乗せていました。
写真はバラ板の様子です。
このように細長い板を何本も並べ。瓦などの屋根材が載るように下地を作ります。
野地の上にはルーフィングなどの防水シートや、杉皮などの下葺き材が施工されています。
ただし、現在の改質アスファルトルーフィング等に比べて瓦の下に入った水を軒先まで排水しきれるほどの防水性能があるかといわれれば疑問が残ります。
そんな中、隙間の多いバラ板野地では雨水が屋根裏に入り込む可能性がとても高くなります。
また、板の隙間に張られているルーフィングは、下地がなく宙に浮いている状態なので、圧がかかると簡単に切れてしまいます。
その他にも、バラ板は屋根上で作業する時に踏み抜いてしまうこともあるので、そういった面でも危険が残ります。
写真は先ほどのバラ板の現場です。
バラ板の上に、構造用合板と呼ばれる丈夫な木板を上から増し張りした状態の写真です。
構造用合板は踏んでもびくともしない丈夫な材料なので、屋根上での作業も安心です。
バラ板と違い隙間が少なく、水も入りにくくなります。
ルーフィングも真下に合板が必ずあるので、多少の力が加わっても切れにくくなります。
屋根リフォームの現場ではこのように、バラ板野地の現場では上から構造用合板を増し張りして新しい屋根を施工していくケースが多いです。
丈夫な構造用合板の上にルーフィングと呼ばれる防水シートまで貼り付ければ、新築のように雨漏れに強い屋根が出来上がります。
バラ板は構造用合板と比べるとどうしても強度が弱いので、写真のようにいつのまにか割れているケースもあります。
写真は天白区のお客様が、屋根裏でなにかが落ちるような物音を聞いて確認のためお問い合わせをいただきました。
屋根裏から野地を確認してみると、写真のように割れている部分があり、そこから瓦用の土が天井裏に落ちていることが判明しました。
今回はすぐに発見できたので良かったのですが、気づかずに年数が経過してしまうと大きな工事の必要がある可能性もあります。
例えば、野地の割れがひろがり、瓦の葺き土がさらにたくさん天井に落ちてしまうと上の瓦の並びが悪くなり、水を呼び込んでしまう可能性があります。
そのまま雨漏りすると野地だけではなく垂木の腐食などにつながり、復旧が難しくなる場合もあります。
このような可能性を潰すためにも、バラ板野地の屋根は特に気を付けて点検する必要があります。
この他、屋根・外壁のリフォームで気になることがある方はお気軽にお問合せ下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。