愛知県 瀬戸市にて屋根葺き替え・外壁張り替え工事を行いました。
皆様こんにちは。屋根専門店の坪井利三郎商店です。
今回は、瀬戸市にて行った屋根葺き替え・外壁張り替え工事の様子を紹介していきます。
築100年を超える離れの、外装リフォーム工事でお問い合わせいただきました。
既存のいぶし瓦屋根 → 新たないぶし瓦屋根 への葺き替え工事と
既存外壁撤去後、新たなサイディング外壁の施工 をご覧いただけます。
まずは、足場仮設前に行ったお家廻りの柵と、使われていないトイレの撤去工事を紹介します。
施工前の様子です。足場仮設前に行いました。
柵を撤去していきます。
トイレの解体・撤去です。
壁土を撤去しました。
廃材は全て搬出、撤去していきます。
柵・トイレの撤去工事が完了しました。
こちらは、屋根の現場調査の際の様子です。
屋根はいぶし瓦と呼ばれる、古くから葺かれてきた日本の瓦です。
文字通りいぶすようにして焼成する過程で、表面に炭素の膜が形成され、瓦を守ります。
この炭素膜の付着がはげると写真のように瓦一枚一枚に色むらができ、色あせのように見えます。
この色むらは、古来より日本の瓦屋根の「いぶし銀」として風情を楽しまれてきました。
現在においてはそのような風潮は薄れつつあり、少し寂しくもあります。
今回はこちらの屋根を葺き替えていきますので、早速、足場を設置して瓦を撤去していく様子をご紹介致します。
屋根の撤去工事です。めくり工事とも呼びます。数人がかりで、一枚ずつめくり、屋根下へ降ろしていきます。
今回は立地等も鑑みて、クレーン車で吊る方法で廃材を降ろします。屋根上でフレコンと呼ばれる大きな袋に詰め、降ろしていきます。
廃材をユニック車で運び出します。フレコンの容量がおおよそ1㎥ですが、今回は10袋以上の大量の廃材が出ました。
瓦をめくると、大量の葺き土が出てきます。こちらも全て撤去していきます。
葺き土までの全てを撤去し終えました。
屋根の下地である野地板が腐り、穴開きになっている箇所がいくつか見られました。
このままでは新たな屋根を葺くことができませんので、下地の補修工事が必要になります。
垂木と呼ばれる野地板を支える木材が腐っていたので、新しいものに交換しました。
必要な箇所の野地板は新しいものに交換しました。
既存野地板の上から新たな野地となる、厚さ12ミリの構造用合板と呼ばれる木板を貼り付けます。
現在の新築にも使用されているもので、屋根下地の大幅な性能向上になります。
野地の上から、ルーフィングと呼ばれる屋根専用の防水シートを貼りつけます。
ルーフィングとは基材にアスファルトを染み込ませたものです。今回使用したのは、田島ルーフィング様のニューライナールーフィングです。
基材は合成不織布を使用。アスファルト含侵のほか、改質ゴム剤を使用して耐久年数を底上げした「改質アスファルトルーフィング」です。
棒打ちと呼ばれる工程です。新しい瓦を引っ掛けるための棒を施工します。
現在の新築にも採用されている工法で、土を使用しない「引っ掛け桟瓦葺き」と呼びます。
使用する棒材も人工樹脂製のもので、木材のものよりも水による影響を受けにくいものとなっています。
屋根の平面部分を葺いている様子です。一枚一枚が噛み合うと同時に釘打ちされており、屋根に固定されています。
棟際まで葺き上っていきます。
屋根の平面同士がぶつかる、棟と呼ばれる部位の施工です。
南蛮漆喰を棟の頂上部分に盛り付けます。
盛り付けた南蛮漆喰に、熨斗瓦(のしがわら)と呼ばれる棟専用の瓦を馴染ませ、葺いていきます。
一段ずつ積んでいきます。
最後に冠瓦を施工し、棟の施工は完了です。
お客様のご要望で、屋根面の二ヶ所にガラス瓦を施工しました。
採光などに役立つほか、意匠性も高い瓦です。
屋根葺き替え工事が完了しました。
いぶし瓦からいぶし瓦への葺き替え工事でした。
特に下地に大きく手を入れられたことで、屋根全体の大きな機能向上につながります。
100年前の屋根が、現在の新築で行われる工法により外見も中身も生まれ変わりました。
次回は外壁工事の様子を紹介していきます。
ぜひご覧ください。