屋根工事に使用される漆喰とは?屋根の【どこ】に【なぜ】漆喰が使われているのかを簡単に解説。
漆喰とは
そもそも漆喰とはなんなのでしょうか?
漆喰とは、石灰を焼いたものに水を加えた、「消石灰」と呼ばれるものを主材料とする建材です。
耐火性に優れ、古くから家の様々な部分に使われてきました。
屋根において漆喰を使う場所は、主に「棟」と呼ばれる部分です。
棟とは、屋根面と屋根面がぶつかり、山折りに隆起している部位です。
これらの部位には、屋根の中でも棟専用の施工がされます。
棟を施工するとき、漆喰は古くから使われてきました。
漆喰の使われる箇所
画像は、和型と呼ばれる日本で古くからある瓦屋根の棟の写真です。
棟には様々な種類の瓦が積まれていますが、この一番下に塗られている白い部分が漆喰です。
丁度、棟の瓦と平面の瓦のつなぎ目の隙間部分を、保護するように塗られています。
画像はS型と呼ばれる瓦の漆喰です。
和型もそれ以外の瓦も、棟の瓦を支える部分に塗られているのが分かります。
漆喰の役割
なぜ、棟には漆喰が使われているのでしょうか?
答えは、棟に使われている「葺き土(ふきつち)」を守るためです。
比較的古い瓦屋根では、瓦を屋根に接着するのに「葺き土」と呼ばれる泥を使用します。
「葺き土」は、時間が経つと普通の乾いた土と変わらないので、水を吸いやすくなります。
棟の部分にもこの葺き土は使用されており、そのままでは水を吸いやすいままの葺き土が野ざらしになります。
この土を守るため、漆喰を塗って葺き土を保護するのです。
※棟の構造についてはこちら
写真は、和型瓦の屋根の棟の構造です。
様々な種類の瓦を積み上げ、棟を作り上げます。
図は、和型の瓦屋根の棟を上から見た時の断面図です。
図のように、葺き土の表面に厚さ5ミリほどの漆喰を塗ります。
最後に
今回は、屋根に使われる漆喰の役割について解説しました。
漆喰は、棟と呼ばれる重要な部分で雨水から屋根を守る重要な材料です。
漆喰の劣化が見られる場合は、早めに業者へ補修の依頼をすることをおすすめします。
次回は、屋根漆喰の劣化現象について紹介、解説します。ぜひご覧ください。