屋根の勾配
屋根勾配とは
屋根勾配とはその名の通り屋根の傾斜の程度を表します。
一般的には尺貫法で表され
屋根勾配:五寸勾配
などのように表されます。
屋根地を真横から見た時に
図のように一尺(10寸)進んだときに5寸高くなる勾配を
5寸勾配と言います。
戻り勾配について
図のように、屋根地の勾配と屋根材を葺いた後では、勾配の程度が変わります。
屋根地の勾配より、屋根材を葺いた後の勾配のほうが緩くなります。
この緩くなる分の勾配を、戻り勾配と呼びます。
戻り勾配は、屋根材の厚みが厚いほど大きくなります。
瓦は屋根材の中でも厚みがあり、戻り勾配が大きい屋根材です。
商品ごとに異なるので一概には言えませんが、だいたい1.5寸ほど戻ると考えて問題ありません。
厚みの薄いスレートや鋼板などでも0.5寸ほど戻ります。
なので、5寸勾配の瓦屋根と言えば、実際に業者が歩いているのは3.5寸勾配の傾斜となります。
鼻垂れ
鼻垂れ(はなだれ)とは、軒先の屋根材がその名の通り垂れてしまっていることです
戻り勾配の分をそのまま放置していては、当然この鼻垂れに繋がります。
そこで、屋根地の先端には「瓦座(かわらざ)」と呼ばれる部材を設置します。
図のように設置することで、瓦を安定させ、垂れるのを防ぎます。
この時、きちんと戻り勾配を計算して適切な高さの部材を設置しないと鼻垂れを起こしてしまうのです。
最後に
屋根勾配とは、屋根の傾斜の程度のことです。
戻り勾配や鼻垂れなど、様々な屋根の要素に関わる重要な要素です。
建築時の図面などを見れば、屋根勾配についての仕様が書かれていることがほとんどです。
ぜひ一度、自宅の屋根がどれくらいの勾配なのか見てみてください。