スレート屋根をカバー工法でリフォームするメリットとデメリット5選
今回はスレートの屋根を屋根カバー工法でリフォームすることについて解説します。
現在、お家の屋根がスレート屋根で、修理などを検討している方に向けた記事となっております。
・スレート屋根をカバーするのはどうなの?
・費用はいくらくらいかかるの?
・ほかの修理方法ではだめなの?
といった疑問にお答えしていきます。
目次
①スレート屋根を屋根カバー工法で工事する
→スレート屋根をカバーするメリットとデメリット
②スレート屋根のカバーの相場
③スレート屋根は塗装化、カバーか、葺き替えか
①スレート屋根を屋根カバー工法で工事する
スレート屋根は屋根カバー工法を行うケースが多い屋根材です。
表面が平坦であり、屋根カバー工法を行うための条件を満たしています。
しかしそれ以外にも、スレート屋根はカバー工法でリフォームすると様々なメリットがあります。
メリット1 今後のメンテナンスが減る
意外と知られていませんが、スレート屋根は定期的な塗り替えを行うことが推奨されている屋根材です。
仮に塗装をせずに放置していると、スレート自体が傷んできて次の塗装ができない状態になってしまうことがあります。
塗膜を作ってスレートを保護することができなくなると、ますますスレートのクラックや割れなどの傷みが激しくなり、機能性が損なわれてしまいます。
そういった事態を避けるためにも定期的な塗装が推奨されています。
おおよそ10年ごとを目途に塗装するのがいいと言われていますが、そうするとなかなかに手間がかかってしまいます。
屋根カバーを行いスレート屋根からガルバリウムなどの20~30年耐候の屋根材で仕上げることで、10年毎の塗装というイベントを省き、長い間ご安心頂けます。
メリット2 長期的には、費用面でもお得になる。
メリット1と少しかぶりますが、今後のメンテナンスを減らすことで、長期的な視点で見た時の屋根工事の費用を抑えることができます。
塗装で30年持たせようとしたとき、10年毎に足場を建てて2回塗装を行うと、足場設置費用は2回分かかることになります。
しかし屋根カバーであれば、30年のうち最初の1回の足場設置費用で済んだとします。
足場の費用が約20~30万円と考えると、足場設置だけでそのまま20万円~30万円の差が出てきます。
屋根カバーは塗装と比べると金額が高いので、その場でお見積りを比べるとついつい塗装に目が行ってしまいます。
しかしどちらも30年持たせたいと考えた時、屋根カバーでは1回分の値段でよいところを、塗装工事では2回分の値段がかかると考えることができます。
そうするとおのずと同じくらいの値段になるか、足場の費用も考えると屋根カバーの方が安くなった、というケースは少なくありません。
デメリット1 塗装に比べて費用が高い
デメリットといえばデメリットではありますが、先述のように長期的には安く抑えることができるケースは少なくありません。
また塗装と比べると費用は高くなりますが、葺き替え工事と比べると、撤去作業や廃材処分費用の分を抑えることができます。
デメリット2 屋根下地はそのまま
葺き替え工事と比べた時、屋根の下地はそのままの状態というデメリットがあります。
屋根下地の状態は、既存の屋根材をめくってみるまで、確実には分かりません。
その点葺き替え工事江は下地を増し張りするなどして下地を交換、補強できるので、屋根カバー工法の不利な点といえます。
デメリット3 屋根重量がかさむ
既存の屋根の上に新たな屋根を被せるので、屋根の重量が上がります。
屋根重量の増加は耐震性の点で不利なので、屋根カバーのデメリットといえます。
デメリット2と3については、スレート屋根に限らず全ての屋根カバー工法におけるデメリットです。
スレート屋根に限って言うならば、今後のメンテナンスという点で大きなメリットが得られます。
メリットとデメリットを比較、吟味し、お客様一人ひとりのお家に最適な工事プランを選ぶことが、外装リフォームのポイントです。
②スレート屋根のカバーの相場
大雑把に言うと、
・建坪35坪、屋根面積100㎡
の場合で130~180万円前後で施工が可能です。
このほかにも仕上げに用いる屋根材によっても変動します。
屋根カバー工法の際に人気の屋根材としては
・ガルバリウム鋼板
・石粒仕上げ鋼板
・アスファルトシングル
などがあります。
③スレート屋根は塗装か、カバーか、葺き替えか。
スレート屋根には塗装、カバー工法、葺き替えの3つの選択肢があります。
どの工法にも様々なメリットやデメリットがありますが、複雑で少しわかりにくいかと思います。
そこで、それぞれの選択肢を、どんな目的で選ぶのが良いかをまとめました。
ぜひご参考ください。
スレート屋根の塗装を行う時
・費用を抑えたい時
やはり費用を抑えたいときはひとまず塗り替えるというのも手です。
また、長期的には高くなってしまうケースもあるので、お家のメンテナンス計画を一度考え、その上で塗り替えにするかどうかを決めるのがおすすめです。
・塗装とカバーを併用し、より長く屋根を長持ちさせる
屋根カバーはそれまでスレートが塗り替えてあっても行うことができますので、ひとまず塗り替えを行い、次のタイミングでカバーする、というのも手です。
例えば新築10年目に塗り替え、20年目にカバーという風にメンテナンスを行えば、合計で50年はもたせることができる計算になります。
スレート屋根のカバー工法を行う時
・メンテナンス回数を省きたいとき
屋根工事を依頼するというのは、なかなか大変なことと思います。
見積もりを取る業者選びや、見積もりを見ながらわからないことを聞いたり調べたり。
いざ工事が始まれば、仮設足場の中での生活、ご近所様への配慮。
こういった気苦労の回数を減らすという意味でも、メンテナンスの回数を減らすというのは大事なことです。
・長期的な費用を抑えたい時
葺き替え工事よりいくらか費用を抑えつつも、次のメンテナンスまでの年数は新たな屋根材の耐候年数分確保できます。
塗装と比べても、2,3回の塗装と比べ、総額を抑えやすいです。
・ルーフィングを新しくしたい時
ルーフィングとは、屋根材の下に敷かれる屋根専用防水シートです。
防水シートの耐用年数は20~30年と言われています。
屋根カバー工法では既存の屋根の上に新しいルーフィングを施工するので、ルーフィングの寿命がリセットされます。
塗り替えではルーフィングはそのままなので、屋根カバーのメリットといえますが、葺き替え工事でも同様です。
スレート屋根の葺き替え工事を行う時
・下地を新しくしたい時
葺き替え工事にはあって屋根カバー、塗装工事にないメリットが、屋根下地を新しくすることができる点です。
また、下地を新しくするので、屋根下地状況により屋根カバー工法ができないと判断された屋根でも、葺き替え工事なら可能です。
・屋根重量を増やしたくない時
葺き替えとカバー工法はよく比較されますが、葺き替えを選ぶべき理由の一つが屋根重量を考慮した時です。
屋根の重量が上がると耐震性の面で不利となる場合があります。
万が一の時を考え、屋根をなるべく軽くするという目的で、葺き替え工事を行うのも選択肢の一つです。
最後に
スレート屋根のデメリットである、定期的なメンテナンスの回数を減らせるという点で、スレート屋根を屋根カバー工法でリフォームするのは大きなメリットであると言えます。
しかしスレート屋根は他にも塗装、葺き替え工事も選択肢のひとつです。
それぞれのメリットデメリットを理解し、最適な工事方法を選びましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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