２００６年（平成１８年）の法律改正に伴い、アスベスト含有建材の製造、使用が全面的に禁止されました。
それ以前のアスベストは製品に含有させることで建材の強度を底上げし、耐久性の向上に大きく貢献していました。
しかし健康被害があることが発覚して問題視され、国がその使用を全面的に禁止するに至りました。
そこでめでたしめでたしといけばよかったのですが、そうもいきません。
従来の屋根材の、カラーベストなどの一部屋根材はアスベストを使用することにより耐久性を向上させていましたが、その使用が禁止されてしまいました。
当然、各建材メーカーはアスベストを使用しない屋根材の開発に取り組み、脱アスベスト製品として世に送り出します。
実際に家を建て数年が経過すると、脱アスベスト製品の初期製品にはごく早い段階で劣化症状が見られ始め、問題報告が相次ぎました。
一連の流れから、これら脱アスベスト初期製品たちは耐久性に問題があることが発覚し、次々に廃版となりました。
そしていまでも、これらの時期に施工された脱アスベスト初期製品の屋根から、雨漏り等のトラブルのお問い合わせが後を絶ちません。
まず、これらの問題はなにもU瓦に限ったことではありません。
脱アスベスト初期製品の中でも一番よく施工されたＵ瓦が目立ちますが、実際にはそれ以外の製品もこのような一連の流れが原因で問題になっている屋根材が多く存在します。
業者さんによっては似たような製品をまとめてＵ瓦と呼ぶ業者さんもいます。
しかし根本的には、屋根材の耐久性に問題が無いか、雨漏りに繋がるような不良はないかということが本質です。
ご自宅の屋根に不安がある方は、まずは今の屋根に問題がないか、U瓦なのかどうかをはっきりさせるためにも、業者さんに点検等を行ってもらいましょう。
新築時が平成１８年に近い場合は、特にご注意いただいた方がいいかもしれません。
そしてもしＵ瓦やそれに準ずる脱アスベスト初期製品であれば、屋根の葺き替え工事をすることをお勧め致します。
U瓦の葺き替え工事がどのように進んでいくのか紹介します。
葺き替え工事なので大きな工事にはなりますが、U瓦をめくった下の下地状況も確認することができます。
もしも屋根の下地となる野地板に腐食した箇所が見られれば、それらの箇所を部分的に交換したり、全面的に増し張りを行うことも可能です。
雨漏りしやすい屋根では、下地の様子を把握することにも大きな意味があります。
単純に撤去するというだけでなく、その下地にも手を加えて屋根を長持ちさせることが出来れば、費用以上の効果が期待できます。
U瓦と呼ばれる屋根とその問題について解説しました。
Ｕ瓦はもともと屋根カバー工事に使用されてきた屋根材で、アスベスト規制により脱アスベスト製品が開発されました。
しかし脱アスベスト製品の初期製品は耐久性に問題が見つかり、いまでも雨漏りなどのトラブルが多く発生しています。
このような脱アスベスト初期製品の屋根には、葺き替え工事などの対策を取ることで、のちのちの雨漏りなどのトラブル回避につながり、長期的に見ても節約になるケースが多いです。
気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
