屋根の副資材、木材と樹脂材の違いについて
屋根には、屋根材と呼ばれる瓦や板金、スレートの他にも様々な材料が使用されています。
それらを副資材とまとめて呼びます。
例えば、瓦を留めるための釘であったり、屋根材を釘で固定するための木材などがそうです。
屋根材を留め付けるための下地の役割は従来木材が使用されていました。
しかし昨今の屋根業界では、人工樹脂製の材料を使用するのが主流になってきています。
樹脂材と木材、それぞれの違いを解説していきます。
・木材や樹脂材はどんなところに使われているのか?
・樹脂材のメリットとデメリット
・木材のメリットとデメリット
木材や樹脂材は、どんなところに使われているのか?
写真は瓦屋根の工事風景です。
細長い棒状の材料が並んでいるのが分かります。
少し平たい形をしており、等間隔で規則的に並べられています。
実はこれらは樹脂材で、瓦を引っ掛けるために予め屋根に留め付けたものです。
瓦を引っ掛けるために並べたこれらの材料を桟木(さんぎ)と呼びます。
他にも切り口がほぼ正四角形である垂木(たるき)や、さらに平たい貫(ぬき)など、形状、寸法によって違う呼ばれ方をしています。
それぞれの材料に様々な役割がありますが、屋根の表面からは見えません。
樹脂材のメリットとデメリット
屋根の棟板金の下地として使用される人工貫の様子
樹脂製の副資材のメリットとしては
・水に強い
・しなやかで折れにくい
などのメリットがあります。
特に屋根に使う材料として、水に強いという点はとても心強い特徴です。
樹脂材は基本的に水を吸わず、雨水を吸って腐り朽ちるということがなくなります。
これらの副資材を使用する箇所は、多くの場合屋根材を固定するための下地の箇所です。
下地が腐って屋根材の固定ができなくなると、屋根材はずれたり浮いたりして、さらに雨水を呼び込みやすい状態になります。
そういった危険を避けられる点で、樹脂材はとても心強い材料です。
しかしデメリットとして
・値段が高い
・熱に弱い
といった点が挙げられます。
従来の木材に比べ、どうしても値段が高くなる傾向にあり、その分工事の値段は上がります。
また、木材に比べると熱に弱く、劣化すると形状が変化する場合もあります。
屋根に使用する樹脂材が熱で劣化するケースはそう多くありませんが、木材に比べて明確なデメリットといえるでしょう。
木材のメリットとデメリット
木材の副資材は、昔から使用されてきました。
樹脂材が新しく開発されて屋根業界では大きな変化がありましたが、木材もまだまだ現役です。
その理由としては、木材のメリットである値段の安さが挙げられます。
人工樹脂製の材料と比べると、木材の副資材は少し値段が抑えられ、工事費用に直結します。
しかし昨今のウッドショックなどの動きにより、木材全般の値段には大きな動きが見られます。
時勢にも注目し、木材と樹脂材のコストパフォーマンス対比には注目する必要があるでしょう。
木材のデメリットとしては、
・水を吸いやすい
という点に尽きます。
屋根材の裏には雨水が多少入り込み、中の材料に徐々に徐々にダメージが蓄積していきます。
そんな時、雨水を吸いやすい木材はダメージが蓄積しやすく、腐敗、朽ちていく原因となります。
屋根を工事するならば、必ずこの木材や樹脂材などの副資材が使用されています。
どんな素材を使った材料を使用するかで、その後の屋根の寿命も変わります。
それぞれのメリットとデメリットを把握し、後悔しない屋根リフォームをぜひ、ご検討ください。