名古屋市中村区にて瓦の葺き足(利き足)調整工事を行いました!
皆さまこんにちは!
今回は、中村区で行った瓦の葺き足調整工事を紹介していきます!
まずはじめに、葺き足調整という耳慣れない言葉を解説していきます。
まず、「葺き足」という言葉を分解すると「葺く」と「足」になります。
「葺く」というのは、古くから使われてきた言葉で、屋根を工事することを指します。
「足」の方は、あるものについての「縦の長さ」を表します。
なので、この二つがくっつくと、「瓦を屋根に並べた時の、一枚一枚の縦の長さ」を表す言葉になります。
ここで少しややこしい豆知識を話しますね!
瓦を屋根に工事する時は、縦横に隣り合う瓦と部分的に重なり合いますよね?
なので瓦の縦の長さというのは、
「まだ工事する前のバラバラの状態の時の長さ」
「屋根に施工した後に、上から見た時に見える長さ」
の二種類があるのです。
そしてこの二種類の長さのうち「屋根に施工した後に、上から見た時に見える長さ」の方を「葺き足」といいます。
これは、瓦以外でも同じで、施工後にどれくらいの長さなのかはとても重要になります。
また葺き足のことを、「利き足」と呼ぶこともあります。
こちらの写真の、赤い枠内で、瓦の列がずれているのがわかりますか?
実は無理やり瓦の列を増やし、帳尻を合わせるやり方がされています。
これにより瓦がどんどん屋根からずり落ちてくるという問い合わせを受け、今回工事となりました!
今回の工事では、一部の瓦の葺き足を短くする調整を行うことで、瓦の列を整えていきます。
瓦は隣り合った瓦に重ね合わせて、同時に写真の赤い丸の中の凹みの部分が噛み合うようになっています。
この凹んだ角を「切りかけ」と呼びます。
この切りかけが長いほど、瓦同士の重なる面積が大きくなり、葺き足は短くなります。
そこで今回は瓦の切りかけを一枚一枚削り、葺き足を調整しました。
瓦の列が整い、通常の瓦屋根と同じ状態になりました!
今回は、瓦の葺き足についてと葺き足調整の工事を紹介しました。
今回の瓦屋根は当時の施工に問題がありましたが、屋根工事ではそういった知識がないまま工事を行い、今回のようになるケースが少なくありません。
屋根の工事は専門性も高く、難しい工事なのです。
それでは今回はこのくらいで。
最後までご覧いただきありがとうございました!