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スレート屋根の葺き替えについて:メリットやデメリットをご紹介
はじめに

スレート屋根は日本の住宅で広く使用されている屋根材です。
しかし築年数や環境条件によって葺き替えが必要になる場合があります。
本記事ではスレート屋根の葺き替えに関する基本情報やメリット・デメリットを詳しく解説します。
スレートの葺き替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
スレート屋根とは?基本知識と種類

スレートには大きく分けて「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。
天然スレートは粘板岩と呼ばれる岩石を使用して作られる屋根材で、ヨーロッパの城などで使用されています。
しかし資源の入手が困難で価格が高いため、一般住宅ではほとんど使用されていません。
一方で化粧スレートはセメントや繊維材を混ぜて固めて作られたものです。
現在「スレート」と言えばこの化粧スレートを指すことがほとんどです。
化粧スレートはさらに「平板スレート」と「厚型スレート(セメント瓦)」、「波型スレート」に分類されます。
平板スレートは薄い板状の屋根材で、現在最も一般的に使用されているスレート屋根材です。
厚型スレートは平板スレートよりも厚みがあり、瓦のような形状をしています。
「セメント瓦」や「モニエル瓦」とも呼ばれますが、現在では製造されておらず新たに入手することはできません。
波型スレートは工場や倉庫の屋根として主に利用されており、遮音性が高いのが特徴です。
かつては多くのスレート屋根材にアスベストが含まれていましたが、現在では健康被害の懸念からノンアスベストスレートが主流となっています。
アスベスト含有スレートの場合、葺き替え時に特別な処理が必要となるため費用が高くなる可能性があります。
スレート屋根を選ぶ際のポイントとしては耐久性や環境への影響を考慮することが大切です。
ノンアスベストスレートはアスベスト含有スレートに比べて耐久性が劣る場合がありますが、健康面や環境面でのリスクが低いというメリットがあります。
また近年では耐久性を向上させた新しいタイプのスレート屋根材も開発されています。
スレート屋根の種類や特徴は以下の記事でも詳しくご紹介しています。
ぜひ併せてご確認ください。
▶︎https://www.risaburo.jp/blog/oshigoto/slate_types_maintenance.html
スレート屋根の葺き替えが必要なタイミング

スレート屋根の耐用年数は一般的に15年から20年程度とされています。
しかし実際の寿命は使用環境や維持管理の状態によって大きく異なっており、葺き替えの必要性を判断する際には、以下のような劣化症状に注目する必要があります。
劣化症状
まずスレートの割れや欠けは重要な劣化サインです。
これらは雨漏りの原因となるため、早急な対応が求められます。
また色褪せやコケの発生も劣化の指標となります。
特にコケの発生はスレートの表面を傷めるだけでなく、水分を保持することで劣化を加速させる可能性があります。
葺き替えの必要性の判断の仕方
葺き替えの必要性を判断する際はまず目視での確認が重要です。
屋根の表面状態や軒先の様子を定期的にチェックしましょう。
しかし素人目では判断が難しい場合も多いため専門業者による点検を受けることをおすすめします。
特に築15年以上経過している場合や台風などの強風被害を受けた後は、専門業者による診断が重要です。
劣化を放置するリスク
スレート屋根の劣化を放置すると雨漏りのリスクが高まります。
雨漏りは単に屋根の問題だけでなく、住宅全体の劣化につながる可能性があります。
壁や天井のシミ、カビの発生、木材の腐食など様々な二次被害を引き起こす可能性があるため、早めの対応が重要です。
スレート屋根葺き替えのメリットとデメリット

スレート屋根の葺き替えにはいくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
まず費用の安さと施工期間の短さが挙げられます。
スレートは安価で施工でき、施工できる業者も多いため万が一のトラブルでも安心です。
また施工期間も比較的短いため、生活への影響を最小限に抑えられます。
次に耐震性の向上が挙げられます。
スレートは瓦屋根と比較すると軽量であるため、瓦から葺き替えることで建物全体の重量を軽減することができます。
これにより地震時の建物への負担を減らし、耐震性を向上させることができます。
さらにカラーバリエーションも魅力の一つです。
スレートは豊富なカラーバリエーションがあり住宅の外観イメージに合わせて選択することができます。
近年では、瓦や石材の風合いを再現したデザイン性の高いスレートも登場しています。
デメリット
まず定期的なメンテナンスが必要となります。
スレートは経年劣化によって外観が悪くなりやすいため、気になる方は定期的に塗装を行う必要があります。
また割れやすいため、割れた際のメンテナンスが必要になることがあります。
他にも防水性が他の屋根材より低い場合があります。
特に低勾配の屋根では雨水が滞留しやすく、防水性能が低下する可能性があります。
そのため屋根の形状や勾配によっては、追加の防水処理が必要となる場合があります。
スレート屋根の葺き替え工事

スレート屋根の葺き替え費用は屋根の面積や形状、使用する材料によって大きく異なります。
葺き替え工事の主な工程は以下の通りです。
①足場の組み立て(1日)
②既存の屋根材の撤去と廃棄処理(1日)
③新しい屋根材の施工(1日)
④足場の撤去(1日)
一般的な住宅の場合、全体の工事期間は約2日~4日程度となります。
ただし屋根の形状や面積、天候条件によっては、さらに日数がかかる場合もあります。
費用を抑えるための工夫としては、以下のようなものがあります。
・オフシーズン(梅雨時期や冬季)に工事を行う
・近隣住宅と同時に工事を行い、スケールメリットを活かす
・耐久性の高い材料を選び、長期的なメンテナンス費用を抑える
また自治体によっては、屋根の改修工事に対する補助金制度がある場合があります。
まとめ
スレート屋根の葺き替えは住宅の耐久性や資産価値を維持する上で非常に重要な工事です。
本記事で紹介した情報を参考に、自宅の状況に応じた適切な判断を行いましょう。
葺き替えのタイミングや方法、費用などについては、専門業者に相談の上決定することをおすすめします。
また定期的なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、大規模な葺き替え工事の頻度を減らすことができます。
屋根を長持ちさせるためのメンテナンスや葺き替え工事を適切に検討し、快適で安全な住環境を維持しましょう。
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