屋根の棟とは?棟のメンテナンスの必要性や方法を解説
屋根の棟(むね)とは
屋根の「棟(むね)」とは、二つの斜めに傾斜した屋根面が交わる部分を指します。棟には雨風から建物を守り、熱気や湿気を逃す役割があります。
棟は屋根の接合部分のため建物の構造上重要な部分で、屋根の安定性や全体の強度に寄与しています。雨風の影響を受けやすいため定期的なメンテナンスをおすすめします。
屋根における棟の種類
棟には種類があり、代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
・大棟
・隅棟(降棟)
・稚児棟
大棟(別名:主棟)
建物の最上部に位置する部分を「大棟(おおむね)」または「主棟(しゅむね)」といいます。
隅棟(降棟)
屋根の先端から概ね45度で、大棟に向かって伸びていく棟を「隅棟(すみむね)」と言い、屋根の傾斜に沿った棟を「降棟(くだりむね)」と言います。
ほぼ同じ棟を指すことが多いのですが、「入母屋」という屋根の形状のときに「隅棟」と「降棟」が発生するケースが多いです。
稚児棟
「稚児棟(ちごむね)」とは、降棟の先についている短い軒のことをいいます。
稚児棟は日本建築独特の棟のため一般家屋では見られませんが、寺社仏閣で見ることができます。
棟のメンテナンスの必要性
屋根に棟が使われるのは主に「瓦屋根」と「板金屋根」の2種類です。いずれにしても棟は雨風の影響を受けやすく、劣化しやすい部分です。
経年劣化以外にも、地震や台風といった自然災害で棟が破損したりズレたりすることも起こります。
棟に起こった問題を放置すると、雨漏りを引き起こす可能性があるため10〜15年前後で定期的なメンテナンスをおすすめします。
棟のメンテナンス方法
定期的なメンテナンスは棟に異常がないか丁寧に目視しての点検となります。もし問題が見られた場合は主に以下の4つのメンテナンス方法が挙げられます。
・釘の打ち直し(板金屋根の場合)
・板金の張り直し(板金屋根の場合)
・瓦の積み替え・積み直し(瓦屋根の場合)
・漆喰の塗り替え(瓦屋根の場合)
釘の打ち直し
板金屋根の釘が浮いていたり抜けていたりする場合は釘の打ち直しを行います。
長期間にわたって強風にさらされると、風の力によって棟板金の釘が浮いてきます。釘がゆるんでいたり浮いている場合は打ち直しを行い、完全に抜けている場合は新しい釘を打ち込みます。
釘の打ち直しを行ったあと、さらにコーキングで釘に蓋をすることで釘の浮きを防止します。
板金の張り直し
棟板金が破損していたり、強風で一部飛ばされていた場合は棟板金の張り直しを行います。
棟板金の下には「貫板(ぬきいた)」という板が入っており、貫板に劣化が見られる場合は併せて貫板も交換・張り直しになります。
瓦の積み替え・積み直し
棟瓦にズレがあったり、破損が見られた場合は積み替えもしくは積み直しを行います。
「棟積み替え」は新たに仕入れた瓦を使って棟を復旧し、「棟積み直し」は既存の瓦を使って元通りの棟を復旧することをいいます。
詳細は以下で解説していますので併せてご覧ください。
漆喰の塗り替え
屋根の棟を見たとき、漆喰が黒ずんでいたり剥がれていたりしたら劣化してきている証拠。漆喰の黒ずみは劣化の初期症状ですが、剥がれ落ちている場合は末期症状です。
そのような症状が見られた場合、古い漆喰を除去し新しい漆喰に塗り替える作業を行います。
まとめ
棟は屋根の中でも比較的劣化しやすい部分です。定期的なメンテナンスで屋根を長持ちさせることで建物全体の寿命も延びます。
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